The Velveteen Rabbit

私はこの本の邦訳版(抄訳)を書店で見て、絵の美しさと物語の
素晴らしさに感動し、原典が欲しくなりました。
邦訳版(抄訳)は「よるくま」の酒井駒子さんによる絵と翻訳の
絵本ですが、原典は「章」こそついていませんが、比較的長い本
になっています。
(なお邦訳には酒井さんの「ビロードのうさぎ」の他、「ビロード
 うさぎ」「ベルベットうさぎのなみだ」などがあります)

男の子のクリスマスプレゼントとして贈られたビロードのウサギは、
最初に2時間ほど男の子に遊んでもらった後、忘れられ、しばらく
ほかのおもちゃと子ども部屋にいました。
どのおもちゃも自分は本物だという態度をとっていますが、
ウサギには理解できません。
子ども部屋で一番年長で最も物知りの皮のウマに「本物って何?」
と質問します。
ウマは「本物」が「そのおもちゃがどのように作られているのか」
でなく、「人間の子どもが長い間おもちゃを愛してくれたときに、
そのおもちゃに起こること」だと教えてくれました。
ひょんなことからウサギは男の子のお気に入りになり、いつも
男の子のそばにいる「本物」になり、幸せな時を過ごします。
ところがある日、男の子は猩紅熱にかかってしまいます。
男の子が使っていたおもちゃや絵本は菌がいっぱいということで、
すべて焼却処分されることになりました。
ウサギは...。(ここは伏せておきますね)

きっとどなたにも経験のある、自分だけの「大切な」おもちゃ。
そのおもちゃの立場から見た、切ないけど美しいお話です。
どちらかというと大人向けのお話かも? と感じます。

総語数3809語。
英文があるのは22ページ。1ページに11~25行で、平均22行です。
Nativeの6年生向けと書かれていますが、2-3年生くらいから
読めるのではないかと思います。 

難しい単語は
bunchy (ふくらんだ)、wedged (挟まれて)、sprig (小枝)、
holly (ヒイラギ)、snub (~に冷たい態度を取る)、rigging
(仕掛け装置)、skin (皮の)、swagger (威張る)、fender
(炉格子)、hustle (せき立てて~させる)、burrow (巣穴)、
snuggle (すり寄る)、unsewn (ほどけて)、dusk (夕暮)、
grumble (不平を言う)、fuss (大騒ぎ)、brigand (盗賊)、
bracken (ワラビの茂み)、queer (奇妙な)、pad (歩き回る)、
sway (揺れる)、weary (疲れた)、thicket (茂み)、
disinfected (殺菌)、scarlet fever (猩紅熱)、fowl house
(家禽舎)、threadbare (擦り切れた)、bygone (過ぎ去った)、
trickle down (流れ落ちる)、frond (葉状体)、glade (林間の
空き地)、dingy (黒ずんだ)、turf (芝土)
くらいでしょうか。

原作が少し難しすぎる(長すぎる)と感じられる方は、酒井駒子
さんによる絵本だけでも、ぜひご覧になってくださいね。


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